ART

茅ヶ崎市美術館は、松林の小道から始まっている。

駅から歩いて8分、高砂緑地の中。萬鐵五郎や土屋光逸など、茅ヶ崎ゆかりの作家の作品が集まる美術館へ。

PLACES
美術館ギャラリー空間のイメージ写真。茅ヶ崎市美術館の実際の写真ではありません。
IMAGE PHOTO ギャラリー空間のイメージ写真です。茅ヶ崎市美術館の実写ではありません。 Photo: Aleksandr Zaitsev (@anwaltzzz) / Unsplash

茅ケ崎駅の南口を出て、高砂通りを海のほうへ。図書館の隣に広がる高砂緑地の中に、茅ヶ崎市美術館はある。緑地は小高い丘になっていて、門から小道をのぼった先が美術館の入口だ。

【現地取材後に追記:緑地を歩いた体験描写】

この緑地は、ただの公園ではない。明治30年代、「オッペケペー節」で知られる川上音二郎と、妻の貞奴がここで暮らしていた。松林の中には、住まいの跡とされる井戸枠が今も残っている。その後は実業家で浮世絵コレクターでもあった原安三郎の別荘になり、1984年に市が買い取って緑地として開かれた。茅ヶ崎に文化人が集まってきた歴史が、土地にそのまま残っている。

美術館の建物でまず目を引くのは、ゆるく弧を描く大屋根だ。モチーフは潮風、飛び立つ鳥の翼、そして海の波。建物の内外は、海や砂から連想した青みがかったグレーを基調にしている。

で、ここに何があるのか

1998年に開館したこの美術館が集めているのは、茅ヶ崎にゆかりのある作家と作品で、約2,000点にのぼる。コレクションの核は3人。近代美術史に名を残す萬鐵五郎、新版画の絵師・土屋光逸、マティスに色彩感覚を認められた青山義雄だ。萬には《海岸風景》(1926)という作品もある。最近は、神奈川を拠点にする若い作家の作品も集めているという。

見終わったら、緑地の裾にある日本庭園と茶室「松籟庵」のほうへ回り道をするのもいい。2月には、約50本の梅が咲く。

展示を見る前から、もう茅ヶ崎らしい。そんな美術館が、駅から歩いて行ける距離にある。

TEXT — CAME編集部
萬鐵五郎近代美術史に名を残す画家。収蔵作に《海岸風景》(1926)
土屋光逸小林清親門下、新版画の絵師。収蔵作に《祇園の夜桜》(1932)
青山義雄マティスに色彩感覚を認められた画家

PLACE INFO — 茅ヶ崎市美術館

  • 住所神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45(市立図書館隣り・高砂緑地内)
  • TEL0467-88-1177
  • 時間10:00〜17:00(入館は16:30まで)
  • 休館日月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/29〜1/3)、臨時休館日あり
  • 観覧料展覧会ごとに異なる(高校生以下無料、障害者とその介護者1名は無料)
  • アクセスJR茅ケ崎駅南口から高砂通りを南へ徒歩約8分。コミュニティバス「えぼし号」で「図書館前」下車、緑地入口まで約70m
  • 駐車場美術館専用10台(無料・大型車不可)

※ 2026年11月9日〜2027年3月1日は館内工事のため休館予定。最新の開館情報は公式サイトでご確認ください。

  1. https://www.chigasaki-museum.jp/about/overview.html開館年、収蔵点数、コレクションの作家、川上音二郎・貞奴、原安三郎、萬鐵五郎《海岸風景》、土屋光逸《祇園の夜桜》
  2. https://www.chigasaki-museum.jp/about/building.html大屋根のモチーフ、建物内外の基調色
  3. https://www.chigasaki-museum.jp/guide/takasuna.html井戸枠、別荘の経緯、1984年開園、松籟庵、梅約50本
  4. https://www.chigasaki-museum.jp/information/INFO全般
  5. https://www.chigasaki-museum.jp/カフェ閉店告知、開催中の展覧会

本文に公式サイトの文章を直接引用した箇所はありません(すべて要約・言い換え)。「オッペケペー節」は固有名詞として表記。

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